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行列のできる法律相談所:民家を写した写真集を出版していいのか?! [行列のできる法律相談所]

1. 行列のできる法律相談所:民家を写した写真集を出版していいのか?!

民家を写した写真集を出版していいのか?!

 男性Aはサラリーマンだが、民家の写真撮影が趣味。暇がある時は民家の写真を撮り捲っていた。
 ある日。同じ趣味を持つ仲間と集まっていた。
 仲間から、撮り集めた写真を写真集にまとめて売り出してみたら、の提案があった。
 男性Aは、それを受け、写真集を作成。1部1000円で売ろう、と決まった。
 完成品を見た男性Aは喜んでいたが、ふと疑問が湧く。
 写真集で写っている民家は、人や表札など、所有者の身元が分かるようなものは写っていないが、それでも所有者が見れば自分のだと分かる。
 写真は、いずれも所有者の許可を取った上で撮影したものではない。家の所有者から出版差し止めするよう、訴えられる可能性があるかも、と心配するように。
 許可を得ずに民家を撮影した写真集を出版できるのか?

判決」では、全員が「出版できる」の見解を出した。
 その結果、民家を許可を得ずに撮影した写真集を出版できる可能性は99%に。
 最終的には、「住所が特定できるような周囲の状況を明かしてはいけません」で締めくくられた。

北村弁護士の見解:出版できる
これは問題ありません。建物には人間の顔などのように肖像権はないんですね。プライバシーを侵害しない方法ならば、表札を写していないので、プライバシーの問題は無い。特に建物は外から常に誰でも見られる状態になってますよね。ですから、中を撮ったという事になると、プライバシーの問題が出てきますが、外から撮っている限り、全く問題ないと思います

 北村弁護士の見解は納得がいく。
 ようするに、撮影者側がきちんと配慮していれば問題ない、ということだろう。
 逆に、配慮を示さなかったら駄目、ということになる。

住田弁護士の見解:出版できる
出版って表現の自由の大きな憲法上保証された権利なんで、これを事前に差し止めるには、それ相応の必要性が認められる場合でないと駄目なんですね。今回の場合、守られるべきものとして、著作権の問題があるんですね。建物も芸術的なものであれば、著作権が認められる場合があるんですけども、今回の場合は民家。民家っていうのは基本的に普通の人が住んでいる、ありふれたものとして、独創性や芸術性、新しさというものではないと思いますから、著作権の保護には当たらないのでセーフです

石渡弁護士の見解:出版できる
創作性があるものに関しては、勝手に売って儲ける事はいけないとされています。本件は民家。もう少し著名なデザイナーが造ったような芸術性の高いものでないと、保護の対象になりません

 石渡・住田弁護士の見解は、どうかね、と思う部分が。
 民家は芸術品ではないから写真を撮ってもいい、という見方はどこまで正しいのか。
 それが正しいなら、芸術品でなければ何を撮っても自由、ということになってしまわないか。
 その場合、芸術品とそうでないものの境界線は何なのか、という問題にも発展しかねない。

本村弁護士の見解:出版できる
基本としては、建築物を写真に撮って公表、販売するのは全く自由なんです

 本村弁護士の見解はちょっとシンプル過ぎるが……。
 総括としてはこれで充分なのか。

 著作権やプライバシーの保護は、当然ながら何にでも適用される訳ではないらしい。
 石渡弁護士は、今回は一般民家が対象で、著名な建築家のものでないから大丈夫、との趣旨の発言をしていたが、他の弁護士によると、仮に著名な建築家のものであっても、写真を撮るだけなら著作権違反にはならないらしい。
 建物としての著作権も、あくまでも建物としての著作権。他人が許可なく全く同じ建物を建てた場合は著作権違反になるが、他人が許可なく外観写真を撮るのは著作権違反に該当しないようだ。

 今回のケースは、少なくとも一人くらいは「出版できない」の判決を出すと思っていたが……。
 ちょっと意外。
 当番組では、料理店内で料理の写真を撮ることの合法性についても論じていた。そちらでは見解が合法・違法に分かれたのに、こちらは全く分かれなかったのは不思議。
 家の外観は公にされているから、所有者といえども「公にするな!」とは言えないのか。
 そんなに公にしたくなかったら家全体を外から見られないよう、隠さなければならないらしい。
 ただ、だからといって、個人の所有物を赤の他人が写真に撮って、それを出版して利益を得ても全く問題にならない、というのはどうか。家の所有者で、他人が自分の家を利用して勝手に利益を得てもいい、と思う者はそう多くないだろうに。
 これが複合ビルや公共施設など、一個人の所有物でないなら、何ら疑問は湧かないが。
 その一方で、被写体の所有者から必ず許可を取った上で撮影しなければならない、となったらカメラなんて全く使えなくなってしまう。屋外で写真を撮れば、必ず誰かの建物が写ってしまうのだから(思えば、自分も訪れた飲食店の外観写真を許可なく撮影することが多いし(^~^;))。
 今回の件はもう少し深く議論してもらいたかったと思わないでもない。

 それにしても、本が出来上がった時点でようやく差し止めされる可能性を考えるようになるなんて、ちょっと遅くないか?

まにさんの意見:
趣味で楽しむ分には問題ないが、出版して利益を得るとなると問題ではないか? …そう思ったのですが、民家は単なる建築物だからOKなんですね。 今回の弁護士の見解は、弁護士らしくて関心しました。 ただ、津村さんご指摘のように、建築物と著作物の線引きが曖昧だと思うんですよね。 その辺が、気になるところです。まことちゃんハウスとかだったら、どうなんでしょう…? 奇抜なデザインの家とかだったら、意見が割れたのでしょうか? 余談ですが、自分も、教会の写真を撮影して、ホームページで公開してたことがあります。 ちゃんと教会の人に許可を取りました。「営利目的ではない」とお話ししたら、許可をもらえましたが。

枯山孝さんの意見:
全会一致『出版できる』の判断も仕方が無いのかなと思います。 確かに外見だけとは言え、他人の家を好き勝手に商売に使えると言う考え方には強い疑問が残りますが、 「建物には肖像権はない」と言われては、法律の素人にはなかなか反論しづらいですので…。 (大昔、愛猫の写真集を勝手に出版された飼い主がモデル料を請求すると言う一件※がありましたが、 これも、ごく普通の飼い猫には肖像権は無いと言う事で全会一致でモデル料はもらえないと言う結果に終わりまして) ※2002年11月10日第3トラブル 実際、検索で肖像権を調べても、過去様々なトラブル例が見られる割には 肖像権の説明そのものはわかりづらくややこしい内容となっていましたので、今後もこう言うトラブルは絶えないと思われます…。

 著作権というのは、やけに厳格な部分があるかと思ったら、全く野放し状態になっている個所もある感じ。
 素人判断で「これは著作法に抵触しないだろう」と決め付けるのは危険、てことのようだ。(^~^;)

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通りすがり

>野放し
建物の外観写真については「野放し」ではなく、それを保障するように法律に書かれています。
だから、全員一致でオッケーをしたのでしょう。
by 通りすがり (2009-07-25 00:38) 

つるゆう

出版はできます。
まず肖像権は人間にしか認められず、家は飽くまでもその人の「所有物」であってその人とは全く別物なので家には肖像権はありません。仮にプライバシーの侵害で訴えられたとしても、今回は周りの建物を写していないので場所が特定できませんし、表札を写していないので誰の家かも第三者には分かりませんし、家の中を撮影すると言った不法侵入はしていませんので全く問題ありません。これで出版ができなかったらインターネットに載っている豪邸の写真は直ちに消すべきなのか?という話です。
by つるゆう (2015-05-23 15:56) 

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